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不安定な対象 2
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『不安定な対象 2』に投稿された感想・評価

4.0
【3時間の工場見学】
山形国際ドキュメンタリー映画祭2023で上映される3時間ドキュメンタリー『不安定な対象 2』を観た。本作は観察型のドキュメンタリーらしく、フレデリック・ワイズマンを想起させる。だが、実際に観てみると明らかに彼の作品とは違うものを感じた。

淡々粛々と機械が動く。人間はじっと待ち、タイミング良く器具を挿入する。また、細かい部品を組み立てていく。そこには会話は発生しない。工場も比較的静かだ。やがて義肢を作っていることが分かる。同様に手袋やジーンズが製造される工程が捉えられる。観察映画といえばフレデリック・ワイズマンが有名だ。彼の作品の場合、人々の対話に力点が置かれている。議論や会話を通じて人間を捉えようとする。一方、本作は人間と機械の動作に力点が置かれている。そう聞くと『カメラを持った男』のように社会の歯車としての人間像を強調している作品に思える。だが、そうは見えないのがこの映画の特徴だ。確かにジーンズを編み込む女性の動きは機械的なのだが、その動作の中には人間の思考を感じさせる。どのようにジーンズを動かせば効率良く次のジーンズに移れるかを考えながら行動しているように見えるのだ。そうした動きは、人間=機械の方程式で描く作品からは出てこない発想に思える。なので、3時間を超える超大作でありながら全く飽きることなく最後まで観ることができた。観察映画は面白いジャンルだと改めて感じた。
✔️🔸『不安定な対象2』(3.7)🔸『ベイルートの失われなわれた心と夢』(4.0)🔸『確かめたい春の出会い』(3.7)▶️▶️ 

 『不安定~』。どういう趣旨の作品かわからないが面白いのは確かだ。①ドイツの義足義手、②フランスの革手袋、③トルコのジーンズ、各製造工場のディテールを、ひたすら順に積み上げてく。カットも適切でかなり細かいので見易い。三等分と言いたいが、ドイツ・フランスが各々1時間余なのに、トルコは1時間20分近くを取っている。タッチも従業員らも、かなり違って捉えられてる。意図的というより、自然そこに居座り見詰めてるとそうなるのだ、感。
 ①は、木材の選定加工から始まり、脚の心棒・大腿部を入れるプラスチックケースまで、まず生身の手足に近く、装着利用感や見た目の近づけ、各工程内の揃えや間の連関を重視、そして執拗なテストまで時に話し合いながらじっくり、時にラジオの音楽を聴きながら急がない。デクパージュも角度変や縦斜めの位置押え等がしっくりと。男女比は男の作業員が多めか。
 ②は、小規模10人に届かないような女性ばかりの作業所で、かなりの工程を引き受けの個人毎にかなりへばりつく。顔の表情アップや手元作業からそこへのティルト等がしっかり切り抜かれる。形を脹らませる金属手型ら使用道具や素材の革群らの押え、完成品らが店に飾られてる姿まで入る。ラジオくらいはつけられてるが、作る愛着やその集中度が捉えられてる。革も多色あり、その縫合わせら、趣味性が高いが、心が籠る。
 ③は、様変りする。大工場、多量作業者は女性が多めだが、過半はジーンズ等あまり着ないような、スカーフ・スカートのイスラム信者中年女性。カメラを鬱陶しそうに、時たま目を伏せながらも睨む。とにかく商品は大量、作業のスピードと捌く巧みさの熱度は凄く、アップや角度取りのタッチも、作業の圧巻と来たものを捌くだけの一体が、消し去る速度。歩留りは必ずしも良くなくも、折り込み済み。糸の縦横張り巡らされと動き、基本型出来た後の使い古し感与える劣化や柔軟やフィット与えてく後処理のウェイト大。
 ①②が作業者の、顧客への配慮や自己の商品への拘りや愛着が大で映画的なバランスや流れにも対応してるのに対し、③は、顧客や自己への跳ね返りは少なく、巨大な市場に沿った癖や志向に無条件に追従するだけの、猛烈な量と速度があり、只世界の良識とは無縁で、自己回転してく。商品と作業者は、熟練の腕の披露はあっても、仕事の果たす役割を感じることはない。しかし、映画的というか、第三者が目を剥き面白がる・夢中になれる要素は③にだけ揃ってるも、事実なのは、皮肉を通り越してる。
………………………………………………
 会場に時間より早く着いたので、その前に短編2本も。最近もイスラエルの進攻で話題になったヨルダンやベイルートについては、この地域では珍しいキリスト教国だが、ユダヤ・イスラムの争いが実質的に進出してきてて、くらいしか知らないので、嘗ての豊かな国がいまや周りの国からの移民・難民で騒然としてるイメージしかなく、実態としてはよく分からない。映像作品を見てもピンとは来ないが不思議な実態への接近は感じる。
 『ベイルート~』。スタティックな1歩退いた映像に、直接は結び付かないが、失った息子への父の想いや、ベイルートという都市で生きてく感覚が幾つかモノローグとして連ねられてく。その冷めて非情な距離感そのものが浮かび上がらせてく狙い。「爆撃」「虐殺」「難民キャンプ」「事故」それらが内在し過去やまた今現出するかもの、諦感の支配。「生き残った」「いつ死ぬかも」。普通に「歩けてる」「逃げてるだけか」。閉鎖された事故現場には辿り着けない。が、彼は言ってた。「ぼくは消えても、彼女の心の中に、父の足元に残り、そして皆のものであり続ける」。「街と未来と希望を奪ったもの」。
 フィックス、寄り、縦の図、どんでん、パン、(無人へやフォローの)横移動、(対象の背を変えての)縦フォロー移動、(複数踊るのへ)揺れてフィット。波に囲まれた岩場・父子の今と過去と成長してたらの姿、長い手摺が海を遮る道路を歩いてく人々、暗く陰鬱な洞窟的な半ば閉鎖の狭い商店街を人々や猫が稀に動く、通りやディスコを歩き踊り・埋めて動く人ら。美的で生の感覚、の変化とバランス取りが、ちと凄い。声高で言わずも、もっと深くに伝わり来るもの。
 もう1本『確かめたい~』はポルトガル都市が舞台だが、移民らの苦しいも精一杯生活や、伝統の店の跡継ぎをし・また次代に悩む者、訪ねゆく神父のもと、らと共に、ベイルートで難病の父の為にそこでは得られない薬を求めてめてもいるレバノン留学生が・カメラ持つ作者。フラつく彼に対し皆各々に、「不確か」に対する「確か」「強さ」をもっている。コーヒーの存在や信仰、とりわけ何故強さを平然と保てるのか、今は離れてる・父の昔よりの記憶。
 カメラアイは柔軟めで、曲がり・上がり移動らを含む、生活の場や抜けてく階段の先まで、歩き求めてく、意識的に・或いはどこか無意識に。かなり、いい感覚を保っている。



















    事前メモ
■『不』。劣化履き古し柔軟フィット、イスラム女性、スピード量猥雑活力、大量歩留り騒音、多糸動き
ラジオや会話、関連縦斜め、角度変、指先ら細部やテスト長く丁寧、
金形や糸や部品ら、多種、つくる表情アップやティルト、愛着、女多少人数、ラジオくらい、細部アップ
■『ベ』。爆撃、虐殺、難民キャンプ。レバノン、生き残った、いつ死ぬかも。フィクス、寄り、過去、岩波場、手摺通り、アーケード路地、猫、躍り、パン、無人と1人フォロー横移動、縦フォロー。街と未来と希望を奪った。普通に歩きか、逃げか。息子閉鎖無理、彼女の心中と父の足元と誰へも。7、36.2
■『確』。不確か、確か、強さ、コーヒー、信仰、希望。アップ、曲がる上がる。移民、跡継ぎ。ベイルートにないクスリ。東郷祐衣。S。ポルトガル。26.1.8´
工場での生産工程だけを3時間半映し出すドキュメント。
居眠りしてしまうかもと思っていたが、面白くて観入ってしまった。
監督を招いてのQ&Aも参加して、アーカイブ映像を残すつもりで作ったという話しだった。
いずれは無くなってしまう仕事だからと。
いや、それでも観ているだけでも興味深い。
特に最後のデニムの縫製工場は生地倉庫の大きさからもかなりの規模の工場だとわかるレベル。
様々な手法を駆使したユーズド加工の数々は見ものだった。
この手の作品は日本では一般公開は無いから、観る事が出来るだけでも貴重だ。