とり

スターダストのとりのレビュー・感想・評価

スターダスト(2007年製作の映画)
4.0
試写会にて鑑賞。
その他大勢っぽい平凡なファンタジーかなぁって正直あんまり期待してませんでした。
ところがこれがすごく良かったんです!!!
映像、出演者、ストーリー、どれを取ってもユニークで素晴らしいです。
ストーリーについては先が読めるけどあまりにも正統派すぎてかえって新鮮でした。心があたたかくなる昔ながらの冒険ファンタジー風。
映像については単純にハイテク度でいうと、平均より上は行ってるけど、飛びぬけて素晴らしいわけではありません。
飛行船なんてファイナルファンタジーとどっこいかも?
が、構図というか絵的なものの美しさにとても満足。
キャスティングは完璧。
最初、主人公の男性が登場した時は「エエ~(´・ω・`)」と思ってしまいましたが、すぐに見慣れて、この微妙さ加減がなんかよい感じに。
男性も髪型ひとつでずいぶん変わるんですね。
途中でヘアスタイル変わってからはかなりカッコ良く見える時がありました。びっくりです。
ヒロインというか本当の主人公?クレジットがトップに出てるクレア・デーンズは金髪に白い肌なのでビジュアル的にとてもよかったんですが、美人かというと決してそうではない。
全体的な雰囲気がいいんですねー。女性らしい魅力は少ないけど愛らしい。キルスティン・ダンストもこの系統かな。
そしてなんといっても悪役の魔女に徹したミシェル・ファイファー。多少老けてもたいへん美しくて大輪の華のようでした。ただ、ほとんどが老けメイクだったのが残念。もっと妖艶なお姿を見ていたかった。
その醜い姿での怪演も吹っ切れすぎ!
彼女を含め、悪役キャラがみんな非常に味があってよかったです。まさにプロの仕事。
ルパート・エヴェレットが出てるのを知らなかったので、ああいった役柄だったことにちょっと驚きましたが。
とにかく彼らのおかげでこの映画のおもしろさが倍増してる感じ。
全体的に心があたたかくなるような、でもちょっとニヤリとするユーモアにあふれていて、満員の場内はけっこう笑い声が起きてました。
ピーター・オトゥールの役柄には正直驚いてしまいました。
チョイ役だったのはまぁこんなもんかなと思ったけど、性格付けや表情など、まだ全体像がよくわからない序盤の中では強烈な印象を残しました。
途中で出てくる青年の肖像画が若い頃のオトゥールそっくりで笑い。
デニーロはけっこう後の方で出てくるんですが、その頃にはすでにどっぷりファンタジーの世界にひたっていたりするので、一瞬かなり違和感があります。
デニーロは何をしててもどんな役でもデニーロですから。
でも彼の出てるシーンはまた違った面白さがあって、映画全体のマンネリ化を防いでいるというか、ちょっとしたアクセントになっていい感じです。
お客さんがことごとく声を出して笑ってたのもデニーロのシーンがほとんどでした。
デニーロのシーンについては賛否両論ありそうな感じがしますが、私は好きです。
そして何よりも私がこの映画で満足したのはラストバトル。
正確にはラスト一歩手前バトルですが、ちょっとしたアレンジフェンシング?が猛烈にブラボーーーー!!!でした。
動きもアイデアも独創的で素晴らしいのひとこと。
機会があればもう一度自腹で観てもいいくらいです。
TOHOシネマズ流山おおたかの森
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