オレンチ

スターダストのオレンチのレビュー・感想・評価

スターダスト(2007年製作の映画)
4.8
最近盛り上がっている『キングスマン』。
自分はまだまだ観に行けそうもないので同監督マシュー・ヴォーンの中でも一番好きな作品を鑑賞し、心を鎮める作戦。

いやー、この作品すげー好きなんですよね!
個人的ベストオブファンタジーです!



◼︎ベストオブファンタジー その①
【シンプルで入りやすいおとぎ話!】

ロンドンの雑貨屋で働く冴えない青年が、片思いの女の子のために魔法の国まで行き、落ちた流れ星を持ち帰ろうとするが…
魔法の国では王子やら魔女やらみーんな流れ星を狙っていて…
みたいな感じで、あっちへこっちへ魔法の国中を大冒険!

冴えなかった青年はいつの間にか頼り甲斐がでて、何故だかカッコよく見えてくるし、流れ星もどんどん可愛く見えてくるしぃぃぃ!
おとぎ話ならではのラブロマンスを絡めたサクセスストーリーに、もうほっこり。
ラストはぐぅの根も出ない程のハッピーエンド!
やっぱおとぎ話はこうじゃなくては!
まさに、めでたし!めでたし!

ファンタジーってその壮大な独自の世界から何部作にもなり長くなりがちだけど、これ一本でキレイに締めてくれるから何度でも見やすいのも好印象。

映画好きを唸らせるヒネリのある映画もいいですが、やっぱこういう誰もが幸せな気持ちになれるストレートなお話もやっぱ好きです。
そして、そのストレートなお話の中にブリティッシュなブラックジョークが絡められているのも高ポイント!

それにしてもイギリス人ってハリーポッターだったり、ナルニアだったり人間界の身近な場所から魔法の国に行くようなファンタジー好きだよなぁ。
そしてだいたいの主人公が人間界出身だから、見ている側とリンクしてすごく入りやすい。



◼︎ベストオブファンタジー その②
【王国に剣と魔法、そして空賊。ファンタジーの必要最低限が揃ってる!】

ストーリーやその世界に入りやすいにも関わらず、ファンタジーに必要な最低限の要素は揃っていて、ファンタジーを観たなぁ〜!って気持ちになれる。

まず魔法がしっかり魔法!
どのファンタジー映画にも必ず出てくる要素なんだけど、以外とRPGゲームのようにインパクトのある魔法を使ってくれる魔法使いって少ないような気がする。
でも本作は魔法で家を建てちゃったり、人間をネズミに変えちゃったり、ニワトリの声しか出せなくしちゃったり…とガンガン魔法を使ってくれる!
そしてそのエフェクトも誰がどう見ても魔法そのものです!
そして魔女のボスを演じるのは、ベテラン女優ミシェル・ファイファー!
もうキャスティングバッチリ!
官能的で不気味。
美魔女そのもの!

もう一つファンタジーによく登場するのが魔法の国に位置する王国。
主人公はこの王国の王位継承に巻き込まれるわけなんだけど、骨太ファンタジーなんかはややこしい王位継承だったり覚えずらい名前だったりで原作を知らないと中々わかりずらい。
でも大丈夫!7人兄弟で王位を争うんだけど、その名前は全員生まれた順に数字が割り振られているだけ!
そして王位継承も至ってシンプルで、それは兄弟で生き残り、王の持つルビーを手にした者が継承するというもの。わかりやすっ!
しかも兄弟の殺し合いという重い儀式を吹っ飛ばすのが、死んでいった兄弟達。
彼らは誰かが王位継承しない限り成仏できないんだけど、こいつらがブリティッシュジョーク満載で完全に映画のボケ担当!

そして兄弟で群を抜いて存在感を出しているのが、マーク・ストロング。
最後のファンタジーでしかできない、剣と魔法が生み出す不気味な決闘は見ものです!

最後に伝えたいのがロバート・デ・ニーロ演じる、空飛ぶ帆船を持った"泣く子も黙る恐怖の船長"キャプテン・シェイクスピア!
映画オリジナルのキャラクターなんだけど、彼のおかげで映画をより一層明るいものにしてくれます。
どんなキャラクターかは、とりあえず見て欲しい!笑




◼︎ベストオブファンタジー その③
【ヒロインは流れ星!】

ここが一番好きなところ!
演じるのは大きな口がキュートなクレア・デインズ。
容姿的には賛否両論あるかと思いますが、やっぱ恋は顔じゃねぇ!真心だ!
もうほんと、流れ星イヴェインの虜になってしまいました。
何がそんなにいいかって、彼女嬉しいと輝きます。
恋をして好きな人が側にいると、もっと輝きます。
まさに真心の投影!
人間って本能レベルで光に魅力を感じるんですね。
ニコニコ嬉しそうな笑顔と共にキラキラ輝く姿は美しい!の一言。




◼︎ベストオブファンタジー おまけ
【常連の英国俳優たち】

ファンタジーとは全く関係ないのだけれど、ガイ・リッチーやマシュー・ヴォーンのファンなら見覚えのある、ジェイソン・フレミングやデクスター・フレッチャーといった、英国俳優達で固められています。
更には只今スター街道を駆け上がりつつある、スーパーマンa.k.a.ヘンリー・カヴィルもちょい役で。
ヘンリー・カヴィルはガイ・リッチーの次回作、『コードネームU.N.C.L.E.』も楽しみですねっ!
デビューから注目していた監督がどんどん表に出てきてくれるのはやっぱ嬉しいです。

ここに、ジェイソン・ステイサムもいてくれたらもっと嬉しいのだけれど…
まぁガイ・リッチーに発掘され、リュック・ベッソンに磨かれ、今や一流アクションスターだから仕方ないか。

『キングスマン』はまだ見てないから、観た人はオススメ!とは言えないけど、マシュー・ヴォーンに興味がある人には一度見ていただきたい作品です。