オレンチ

スペンサー・コンフィデンシャルのオレンチのレビュー・感想・評価

3.0
スペンサー・コンフィデンシャル

ボストン市警の警部補が何者かに殺害される事件が発生し、彼の殺害容疑をかけられた部下の警官は自殺した。
そんな中、件の警部補を暴行した罪で服役していた元警官のスペンサーが出所し、事件に違和感を感じたスペンサーは自ら捜査に乗り出すことになる。

マーク・ウォールバーグとウィンストン・デューク(『ブラックパンサー』のエムバク役で有名)によるバディ・ムービーで脇を固めるのは『アルゴ』などのアラン・アーキン。監督は『バトルシップ』や近年では『バーニング・オーシャン』や『パトリオット・デイ』などマーク・ウォールバーグとタッグを組むことが多いピーター・バーグ。
本作で初めてみましたが、スペンサーの恋人役として登場したイライザ・シュレシンガーが最高でした。
特に成行とあによる吹き替えがバッチバチにハマっていてぜひ日本語吹替も合わせて鑑賞していただきたい作品です。

バディ・ムービーというより登場シーンの配分的にはマーク・ウォールバーグが主体であくまでもウィンストン・デュークはサイドキックくらいの比率なのですが、見せ場がよくできているのは圧倒的にウィンストン・デュークの方でした。

とりわけウィンストン・デュークの巨体を生かしたアクションを魅せるのが非常にうまく、壁ごと相手を粉砕したり、簡単に白人男性を投げ飛ばすだけでなく、投げ飛ばされてぶつけられた物がグシャグシャにひしゃげたりしていて、グシャグシャな様子をちゃんとわかるようにカメラに収めているんです。

さらに音楽のサンプリングもよく、中でもベストなのがウィンストン・デュークがアイリッシュマフィアのコルベットをズタズタにするシーンで流れるNico Vagaの”Beast”です。

Beastはアメリカ政府に対するフラストレーションを歌った曲なので汚職がテーマの本作にはピッタリですよね。

個人的にはトラックの教習所で教官が話していた「トラックガミニバンにぶつかったらペシャンコ」というセリフがクライマックスに生きてくる伏線が好きでした。

原作はスペンサー・シリーズという名前がついているシリーズもので、ラストの展開は続編の示唆というより原作へのリスペクトのように感じました。