いみ

市子のいみのネタバレレビュー・内容・結末

市子(2023年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

杉咲花さんの演技は凄かったが、映画自体は肩透かしの連続でいまいちだった。
不幸のヒロインをとにかく見せたいんだなと思う演出が臭すぎ。
筋ジスの妹がいなくなっても世間にまったくばれずに過ごすなんてあり得ない。
父親を刺したときなんて都合よくカメラが上半身しか見せないから気になって仕方なかったし、その死体を踏切まで持っていく?… むり!
無理すぎてファンタジーの領域。
主人公を不幸に見せるためになんとか周りがつじつまを合わせにいく感じが見えて感情乗らず。
そのあつらえた不幸のすべてがもはや今さらな感覚…になってしまっている…のは、自分、あまりにもか…。。

肝心の本筋であろう若葉くんとのからプロポーズに至るまでの時の説得力のなさも手伝いトホホな感じ。
2人がひかれていく様は描かれていないのと同じくらい薄くてペラペラだったしなぁ。
鼻歌の演出もくどくて長かった。
と、
…酷評になってしまった。
(さらに気になるところ追記
刑事ってあんなにオープンに捜査中の情報漏らすっけ?手帳もろ見せ… うーん。苦しい。
あと市子のあの髪の毛、おしゃれだよね?
ズボラや貧乏人ならわかると思うけど、リアルに市子の髪の毛やるならあの髪型はまずないよなぁ…どうでもいいところなのかもしれぬがこういうところ結構気になる)

備忘録
初め
海の水面をうつす。

終わり
彼は市子の関係者(学生の頃の男の子、母親、バイト先の女友達など)に会い壮絶な彼女の過去……戸籍のない子供に生まれ、妹の呼吸機を外して殺め、体を求めてくる父親を刺し殺し男友達と踏切に置く…を知る。
刑事からの電話に出なかったところをみると市子をかばうつもりだろう。見つかるまで探すのかもしれない。

一方市子は、学生の頃の男友達とSNSで知り合った死にたい女と海辺にて待ち合わせ、戸籍を奪って生きていく(ように見えた)
ニュースでは男と女の乗った車が海から見つかり2体の死体が見つかったと言っている。

灼熱の中、黒いワンピースを着て「にじ」を鼻歌で歌いながら歩く市子。

暗転ししばらく蝉の声と市子の鼻歌
一旦静かになり家族の楽しい団らんの声(市子の幸せだった頃の家族の声)が聞こえてきて終わり。

………………
ストーカーしていた男友達と死にたい女はスムーズに車にのって海に身を投げたのか?
彼氏は市子を探すのか?
描いておらず闇の中。

というか、そもそも市子は誰も愛していなかったのかもしれない?かけがえのない愛しい日々にうつっていた若葉くんとの日々もただの通過点にすぎなかったのかも。
愛しい日々は病に発祥する前の幼い頃のあの短い期間だけだったのかもしれぬ。

悲しいファンタジー。
いみ

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