いみ

パスト ライブス/再会のいみのネタバレレビュー・内容・結末

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

面白い映画は眠気を忘れる を、更新。
すごくよくできた映画だった。
めちゃくちゃ眠かったけど1度もウトウトしなかった。
間が良い。台詞がないところが絶妙だった。
ビフォアシリーズが私は大好きなのだが、それと属性は似ている感じ。あと濱口監督イズムも感じた。

最後の彼女の涙の理由をエンドクレジット中考えてた。あれはパーフェクトデイズの役所さんと同じだなと思った。
すべて。喜怒哀楽、自分と彼と夫と、これまでとこれからと。

もしあの時 …を考えると、人生は不思議で恐ろしいなと感じる。でもそれがとてもおもしろい。
今のこの瞬間も数ある選択をしているんだよな。
明日も明後日も、すべては自分の選択の連続だ。
「道で袖が触れあった相手は現世で知り合い」の表現素敵だった。
バタフライエフェクトもだけど、こういう仏教とか学者や偉人の発した言葉にときめきを感じてしまう。いいなぁ。

彼女の生き方も彼の生き方も二人の再会も、トキワ荘(カナダの田舎のあの作家ハウス)での夫との出会いも、すべてはイニョン。
運命であり定めであり自分が選んだそのもの。
あぁ、人生って素晴らしい。

備忘録
はじめ
バーで女性同士?の声で
「あの3人どんな関係だと思う?」と話している。
左からアジア系男性、アジア系女性、白人ひげ男性の3人が映っている。


ラスト
NYに12年の時を経てヘソンがノラに会いに来る。
ぎこちないような空気が流れつつも、やっと会えた想いを噛み締める2人。
数日間の滞在最後の日ノラは家にヘソンを連れて帰る。3人で近所のパスタ屋で食事し、そのあとバーへ(はじめのシーン)。
3人で話し始めるがだんだんとヘソンとノラの2人だけの会話になってくる。
「君はここにきてよかったよ、君に韓国は狭すぎる
すべてはイニョン、こうなるようになっていたんだ、彼(夫)と出会うのも必然的だったんだ(のようなこと。文章不確か)」
「あの頃の私はもういないの、12才の私はあの時あなたのとなりに置いてきたのよ。
前世私たちは小鳥と、その小鳥がとまる枝だったかも」

彼女が席をはずし男2人きりに
たどたどしいながらも英語で話しかけるヘソン。
「会えてよかったです。2人きりで話してしまいすみません」
「久しぶりなんだから当然だよ。僕も会えてよかった。ただまさか、君と2人きりになるとはな」
「?…」

家に着きタクシーが来る場所まで送るとノラはヘソンと家から出る。
会話なし。
(忘れてたらごめんですが確かなかったはず)

タクシーがきて荷物を座席に乗せる。
ヘソン、振り返り大声で呼び掛ける。
「ナヨン!」
「なに?!」
間髪いれずにノラ(ナヨン)は応える。
あの頃の2人がフラッシュバックする。(映像が韓国の12才の二人に)
瞬間、完全に2人だけの世界になる。

走り出すタクシー。

歩き帰るノラ。嗚咽が止まらない。
外階段で待っていた夫が抱きしめなかに入る2人。

少しの暗転のあとヘソンのタクシーが夜明けの街を走っている様子が流れる。まぶしい日の出のNYが後ろに流されていく。

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感想ずらずらと

もし私が夫だったら、この後彼女とは別れるだろうな。彼が消せないほどの印象を残していってしまったもの。
あるとき見せる彼女の遠い目、ふとした瞬間の言動…私を信じてといわれれば言われる程運命の幼馴染みの存在がちらついてしまいそう。
人を信じるって難しいから。

そして離婚。

対してヘソンは韓国に帰るなり距離をとっていた彼女にプロポーズし所帯を持つ。
子供もできて平凡ながらも幸せな生活を送る。

しかし必ず2人はまた廻り逢うのだろう。
時を過ごしてまた別れ、そしてまた出逢う。

という夢想をしました。

いいドラマだった。

追記
彼の名前を検索するシーンで食べているスナックのようなものはなんなのかを知りたい。シリアル?めちゃくちゃいい咀嚼音だったな…
(お風呂に入りながら想い出した。つくづく己の食いしん坊さに呆れるよ。)
いみ

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