コーエン兄弟の傑作サスペンス。
一見するとギャングもののサスペンスムービーだが、実はすごくコメディ。
そのコメディさが、作品のダークでシリアスな雰囲気に隠れており、笑える部分とシリアスでカッコいい相反するムードが合わさり、独特な世界観を作り出している。
普通に考えてガブリエル・バーン演じるトムは二枚舌のクズ野郎。
そんな男がダンディにめちゃくちゃカッコよく映されており、トムのついた嘘によって物語も二転三転してゆく。
その複雑ながらも巧妙な展開が面白い。
ジョン・タトゥーロもやはり素晴らしい。
彼がいたからこの映画のあのシーンが生まれた。
ミラーズ・クロッシングを象徴する名シーンは一生忘れられないだろう。
画作り、物語、役者、どれをとっても一流の作品。