MASH

剣のMASHのレビュー・感想・評価

(1964年製作の映画)
3.5
0か100の世界でしか生きられない主人公の姿を陰影の濃い白黒の世界の中で映し出す。セリフも非常に小説的で、三隅研次の作品というより三島由紀夫の作品という印象の方が強い。最後も含めて主人公は彼の投影そのものなのだろう。

快楽と妥協の中で生きる汚い大人にはなりたくない。それは純粋というよりも潔癖に近いものを感じる。そういうところで『炎上』とも非常に共通点が多い。三島由紀夫という人物を知る上で非常に興味深い作品。

ただ、他人から見た主人公の姿だけではなく、自殺に至るまでの彼自身の心情にもう少し迫って欲しかったかな
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