こうし

悪は存在しないのこうしのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.1
誰もが無関係でいられない。というほど没入して見ることはできなかったが、自然の持つ影響力への畏怖に関しては確かにそうだと思った。
ワンカット長いなぁ、とかそういう俯瞰的に見てしまった部分や、音楽が語りすぎか?という点があったと言えどもいい映画見たなぁという感想だし、悶絶(?)という言葉が適切な感がある。
カットや音楽のタイミングがうまく、緊張感が途切れないことが体感短く見れた所以な気もするが、もう最初の針葉樹見上げオープンクレジットの映像が僕からしたら人の死や葬式、孤独を見ているようで、説明的な感があった、音楽が悪いかも、だからずっとその恐怖心が脳の片隅にあったのかも知れない。

芝居めっちゃ上手いなと思った。特に芸能事務所の2人。車のシーンで笑っちゃった。
薪割っての「気持ちィ〜」が腹から出切らない感よかった。感情の発露のままにアウトプットすることよりも一旦自分の中に集中を引き戻して噛み締めてる感というか。

あとはCQが2本くらいあったのかな。
幸せ→不幸せみたいな構造にもあまり囚われていない感じもよかった。
ただ、後半の畳み掛けや、牧歌的な生活の1ルーティン目を盤石に創るという意図があったにせよ、前半は長いしCQが立ち上がるまでが遅い。そのせいで後半が怒涛の広がりを見せるという構造はズルいなと思った。

主人公?お父さんの大目的がちとわかりづらい感じはあったが、いつも通りの生活を送るということだったのかな。と後々になって思う。これが難しい。村人達の中の一人として描かれる説明会で立ち上がる大目的な気がするので、そこはどうにかしてほしかったな。忘れっぽい性格だが、迎えを忘れてたと気づいたときには無我夢中で迎えに行くとか。一回は迎え行くのに成功するとかってあれば、×の時の行動を通して本意が見えると思ったが。
思えば初めの森で娘を発見した瞬間も見せてくれなかったな。。。
母の不在への説明がないのはよかった。が、過解釈を生みかねないなと思った。

説明的ではないにせよ、主人公があまりに何の気無しに生きてそうな感じがあったのが、もう少し描き方があったのではと少し腑に落ちない理由なのかな。
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