烏丸メヰ

ドーム/寄宿舎の烏丸メヰのレビュー・感想・評価

ドーム/寄宿舎(2006年製作の映画)
3.8
親の意向で、行きたくもない全寮制学校へ編入させられた少年チャトリー。
怪談の伝わる校舎、女教師の厳しさ、生徒らから受けるからかいに孤独と憤りを募らせる中、一人の少年と親しくなる。


タイのむせかえるような湿度や暑さの伝わる風景や黴、古びた薄暗い校舎と、密度高めの寮生活の息苦しさが主人公チャトリーの居心地悪さを追体験させてくれる。
そんな学校の職員室にある、壊れ、同じ箇所を反復するレコードプレーヤーが象徴的で印象に残った。

大人への嫌悪や女性への憧れ、そして勇気と友情を胸に、微笑ましく、切なく、ほろ苦く、物悲しい経験を通して、少年はほんの少し大人になる。
静かで優しいジュブナイルホラー。
烏丸メヰ

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