烏丸メヰ

ダーク・フェアリーの烏丸メヰのレビュー・感想・評価

ダーク・フェアリー(2011年製作の映画)
3.0
70年代の『地下室の魔物』リブート。
双方新恋人のいる両親の間で居場所なく苦しむ幼いサリーは、父とその恋人とともに、修復中の古屋敷で暮らすことになるが、何かの気配を感じ……


建築、自然が孕む闇と美しさの中に、デル・トロ監督らしい恐怖と悲しみが潜むダークファンタジー。
謎解きや劇的なアクシデントで見せるストーリーではない為派手さはなく規模も小さいが、その小規模さの中で更に、孤独な幼い子供を苛む心の傷と古典的な魔物の脅威がやがて、不信感につながっていく様に胸が苦しくなる。このミニマムかつ民話的雰囲気(世の中を揺るがす大事件などではない)が個人的には良い。
魔物のデザインが造形・サイズ感・声などもかなり好みだった。

人間に容赦なく牙を剥くフォークロアホラーは作風・ジャンルとして愛しい。
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