コーディー

DOGMAN ドッグマンのコーディーのレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
3.8
ひと足先に試写会で鑑賞。

父親からの悲惨な虐待により足に障害まで負わされた少年時代、尊厳を奪われ続けたダグラスが唯一愛を注いでくれた犬たちとの〝並外れた絆=特殊能力〟を武器に神なき世界に牙を剥く…
置かれた環境にただ適合した者の狂気と哀愁を静かに漂わせるケイレブ・ランドリー・ジョーンズが見事。そして犬は強くて賢いw
面白かったです!

ダグラスとしての自我を捨て、別の存在として新たな自己を表現をする。それがドラァグクイーンであり、ドッグマンであり…
ただ愛を欲し踠いた果てで、それでも搾取しようとするなら吠えるぜ!なジョーカーよりキャットウーマンにも近い哀しみを慰め共に噛み付いてくれる有能なワンコ達との共闘に胸が熱くなりました。

壮絶な生い立ちなのに慎み深く上品で、他者を思い遣ることも出来るダグラス。精神科医との対話の中で見えてくる彼の人となりに魅了されたし、罪は犯せど業も痛みも全て受容れていく生き様に神々しさまで感じた。
まあリュック・ベッソン監督らしいモチーフを散りばめた展開や格好良いビジュアルへのこだわりは非現実的で滑稽さも漂うけど、切れ味鋭い暴力描写はやっぱり楽しい。

そしてケイレブと犬たちの熱演に尽きる!