くらら

DOGMAN ドッグマンのくららのネタバレレビュー・内容・結末

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

怖そうだけど犬が良いなら…と思って観たら犬最高!という内容でとても良かった。
ポスターが良くも悪くもミスリードで、怖いシーンはハードボイルド・ホームアローンって感じでけっこう笑った。

おどろおどろしい音楽が流れても犬可愛いぞという演出をしなくても犬はどの種類もいるだけで可愛いことがこの作品で証明されたし、犬→ドッグマンへの愛も溢れてて良い。
字幕が詩的なのに分かりやすい言葉なのも好みだったし、主人公がシェイクスピア好きという設定にも納得。

ジョーカーのような恐怖を掻き立てる音と、ピアフやマイルスを始めとする数々の音楽の使い方も良かった。特にドッグシェルターが閉鎖されて再就職活動に苦戦する様子とキャバレーのシーンが交互に出てくるのはミュージカルばりにワクワクした。

「法律は強者が弱者から守るために作ったもの」的な言葉が印象的で、罪を犯してるのにどうしてもダグラスを悪い奴と思えない。
父親と兄がなぜあんなに結託して母親と弟をいたぶるのか理解できないし、恋をしても実らず愛に飢えたダグラスだけど、ラストで彼の元に犬が集結するシーンで彼の犬への愛が証明されたようで心がジーンとすると同時にその後を想像して苦しくなった。
後味の悪くないジョーカーというか、マイルドに見せかけてあらゆるマイノリティがしれっと組み込まれてて、犬の素晴らしさの裏で人間として生きる苦しみや難しさを考えさせられる映画だった。
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