ボギーパパ

DOGMAN ドッグマンのボギーパパのレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
4.1
劇場2024-22 熊P

犬。。。。。私は犬が心から好きです。

有史以来、人間の傍に居続けてくれる頼もしき、愛しき相棒。
そして始祖である狼から、狩猟、牧畜、使役、軍用、そして愛玩を目的に、その大きさ、形状、性格までも改良を重ねられ、そのためにフィットしていくのは、生物学的にも珍しいと言って良いのではないだろうか。

セントバーナードやアイリッシュウルフハウンドなどの超大型牧羊、使役犬、ボルゾイやアフガンハウンドのようなサイトハウンド、ビーグルやジャックラッセルテリアのように嗅覚猟用のセントバウンドからチワワ、パピヨン、ポメラニアンなどの愛玩犬まで。
体高1mくらいから20cmと幅広い差がありながら「犬」という属に括ることができるのは奇跡ではないか。それも神と人による作業によって可能にした点には驚きしかない!
(猫科では、ライオンはネコ科ヒョウ属、家猫はネコ科ネコ属と、属が異なる)

その犬たちが大活躍すると噂の本作、しかも監督があのリュック・ベッソンと来た日にゃ〜観ないわけにはいかない。

作品は
冒頭、トラックに乗った女装した男が警察に捕らえられる。荷台には多くの犬、、、
異常な事態と判断した警察は精神科医を呼び、男の面談を開始。語りはじめた男のこれまでは、、、をつなぐ構図。
この冒頭の女装した男の不穏さと、メインヴィジュアルから『ジョーカー』っぽさを思わせる。

この作品の中心に「神」が存在する。
犬小屋の中で啓示を受け、祝福されようと努め、御心に従い、いつでも受け容れる準備ができていると、、、神はどうしてこの男をこの世に遣わしたのか、、、

辛く悲しい少年時代、心に希望を灯した青年時代、そして奈落の底に叩き落とされたが、神の導きで、生き甲斐を見出し、神の操り人形としての所業へと向かう。ダグラスを演じるケイレブ・ランドリー・ジョーンズの怪演が光る。エディット・ピアフには驚いた!まさに神がかりの熱唱!そして犬との信頼関係は最早美しいとしか言いようがない!

また、精神科医エブリンを演じるジョージョー・T・ギッブス。彼女のダグラスとの会話を通じて、彼の人生を辿り、彼女の理解を介して我々に伝えてくる手法だが、目新しい訳ではないのに本作では染み入るように我々の理解を進める。そして最後には、、、

こう言った見どころ満載の作品なのだが、何度でもいうが本作は、犬たちの名演にも支えられている。表現、アクション、どれをとっても素晴らしいとしか言いようがない。(不粋ではありますがドッグトレーナーさんのご努力が偲ばれます)

全編リュック・ベッソン節とでも言おうか、映像美と、あの音楽🎵不穏な空気と盛り上がりは私が彼の最高傑作と思っている『LEON』同様全てが繋がっていき叙事詩を彩なす。今作それと同様に監督・脚本両方やっているのも影響しているのか。

ラストは我々に解釈を預けるカタチであった。それはそれで良いとも思うが、個人的にはレオン同様、スコーンっと突き抜けてほしかったなぁ。

それでもこのところ鑑賞した作品がイマイチ続きだったのでスッキリした(^^)
流石の快作!
ボギーパパ

ボギーパパ