ももいろりんご

ぼくは君たちを憎まないことにしたのももいろりんごのレビュー・感想・評価

3.2
予告編で観ようと決めていた作品。
勝手に期待したもの違っていて…つらいお話だった。
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2015年11月にパリで起こったテロ事件。最愛の妻を失ったジャーナリストのアントワーヌ。息子メルヴィルはママがもう2度と帰らないことを理解するには幼すぎた。誰とも共有できない悲しみと孤独、不安。しかし、それらに屈しない、息子と幸せになってみせるとテロリストへのメッセージをSNSに公開すると、それがひと晩で20万人以上にシェアされ、アントワーヌは予期せず時の人となってしまう。
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実体験をもとに書かれた原作があり、それに忠実に作られた映画だそう。おもしろい、おもしろくないの言葉は不適切かもしれないけど、おもしろい部分はない。観ていてしんどく、堪えた💧
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妻を心から愛してて大事に思ってた。彼女の残像や残された匂いに心を持っていかれる。この悲しみをどうしたらいいのか、誰も答えてくれない。子どもと生きていかなければいけない。SNSでバズったことで、テレビやインタビューに答えるんだけれど、どんどん気持ちがリアルと乖離していく感じ。見てられない。
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<憎しみの連鎖は断ち切れるか>
個人的に大きく心揺さぶられるテーマ。
憎まない…報復したり、相手の不幸を願ったりしない。それができるならそれがいい。”愛”の反対は”無関心”だと常々考えているけれど、憎悪を重ねて無駄な悲劇を招くならば、お互い距離を取る方がいいよね。
隣接する国同士はそうもいかんのがいつも悲しい。
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あれ?待て。
この前、娘が暴力で傷つけられることがあったら、犯人を絶対探してコロスって私言ったなぁ。言った、言った。何かのレビューで。
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…まとめるの難しくなっちゃったな。
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考えたり思うのは仕方ないとして、口に出したり行動に出すのはコントロールできればいいな。嫌いなものは嫌いでいい。でも「あれ、嫌いなんだよね」って声にだしてしまうとどこか誰かに影響してしまう、みたいな。
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その手にはのらないよ。彼女は死んだけど、いつも家族のそばにいるんだ。ぼくたちはしあわせになるよって、苦しみながらも、愛息とのしあわせを模索する。減らず口でも、強がりでもいい。
でも人の感情はシンプルにはいかない、そう実感した作品。