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コンクリート・ユートピアのnamのレビュー・感想・評価

コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)
3.9
「被災から唯一残った団地で生まれる独裁政権」

今年のアカデミー賞の韓国代表作。
このタイミングでタイムリーすぎますが地震で崩壊した都市を題材に、唯一倒壊から免れた団地を部隊に独自のコミュニティが生まれ1人の男が権利を持ち変わっていく様子が描かれます。

地震の原因や外の世界からの救助などは描かれず、こういった極限の状況下で人がどうなるかを描く思考実験的な作品でおもしろかったです。

自分も同じ立場ならどう動いてたんだろうと、感情移入しつむ身近に考えながら見てしまいました。

冴えない男が権力を持つことで変わっていく様をイ・ビョンホンが見事に演じててよかったです。

まるで軍隊や独裁国家のようにリーダーに染まっていきつつも唯一良心を保っていた若い夫婦の妻役のパク・ボヨンも対象的に描かれていてよかったです。

とはいえオチは読みやすかったり、展開自体もゾンビものやポストアポカリプスものとしては既視感あった部分もあるのでもっと意外性のある展開だとより楽しめたなと感じてしまいました。
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