友人の泪をシカトしていた瞳。愛と3人で女子会の準備を始めるが、泪が現れない。ところが愛は泪がここにいると言う。愛はピザを受け取りに外出し、瞳は見えない泪と二人きりに。話しかけるが返事は聞こえないし、もの音ひとつしない。やがてサンドウィッチを切ろうと置いていた包丁が姿を消す。愛は戻って来ない。次第に瞳は精神的に追い詰められていく。

映画はアイディアの産物だ。僕らは普段ホラー映画を観る時に、得体の知れないものがそこにいる、迫ってくるという恐怖と戦っている。逆にそこに存在しない人が画面に存在する面白さは、ベルイマンやウディ・アレン、フランソワ・オゾンなど、ホラーに限らず様々な作品でも見られる。

しかし、本作で感じる恐怖は違う。見えない存在に怯え、それは迫ってくることもない。泪は部屋にいるはずだが、画面に登場することもない。上映時間１４分のほとんどは瞳が誰もいない部屋で怯えているだけの映像なのだ。だけど怖い。そして思わぬ結末が訪れる。誰もいない街に一人飛び出すラストシーンに「バニラスカイ」を思い出す。画像にノイズが走り、どよーんとした雰囲気が漂う。その余韻が怖い。だけど面白い。

おおいた自主映画祭で鑑賞。

コワい

• #夜空と交差する森の映画祭

記録。