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レザボア・ドッグス デジタルリマスター版のMrOwlのレビュー・感想・評価

4.1
1992年に制作・公開された、タランティーノ監督の脚本・監督デビュー作、DVDで何度も見ており、ストーリーも知っているものの、デジタルリマスター版が劇場のスクリーンで観賞できるとなると、やはり足が向いてしまいました笑。
今から30年前に制作されているものの、黒のスーツ、白いYシャツ、黒いネクタイをした男たちのカットは、絵になりますね。物語の多くが倉庫を中心に展開することも、古さを感じられない要素だと思いました。冒頭は有名な会話劇ですが、改めて見ると定点カメラではなく、カメラが動きながら人物たちを映していき、しかも話しているかどうかに関係なく動くので、グループの登場人物の紹介/顔見せになっていることが分かります。倉庫内でも動く人物の後ろから同じように動いたり、引きやアップのカットなどもがあり、物語に引き込まれる工夫がされていますね。BGMがラジオを付けると流れたり、ラジカセを止めると止まったりと、シーンと連動しているのも30年前の本作で使われていることに、タランティーノ監督のシネフィル(映画通、映画狂を意味するフランス語でタランティーノ監督も自称している)さを物語っていますね。
ハーヴェイ・カイテル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、スティーブン・ブシェミなど、個性的な俳優陣が繰り広げるクライム・サスペンスはやはり秀逸で、緊張感が物凄いですね。
中盤からラストにかけてのティム・ロス、ハーヴェイ・カイテルの演技は素晴らしい。
キル・ビル1・2はちょっとやり過ぎ感があるので、それでタランティーノ監督作品にハマらなかった人や、30年前の映画だからなんとなく古臭いイメージがあって観ようか迷っている方は、劇場でもサブスクでもよいので、是非一度見てみてください。
そして「良かった」と思ったら、「パルプ・フィクション」や「ヘイトフル・エイト」をどうぞ笑。楽しめるハズです。
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