イージーライター

シェアの法則のイージーライターのレビュー・感想・評価

シェアの法則(2022年製作の映画)
3.0
没用で渋谷。時間があるからユーロスペースに行こう。みたいもの決めずに。
うん、これ、貫地谷しほりさんと宮崎美子さんか。良いんじゃないと。
なんの話だか、タイトルかも見ずに座る。
シェアハウスの話ね。いろんな背景の人がいて、もとの運営者は急遽入院するわけだ。もしかして、旦那さんは頑固者じゃない、たしか士業だよね?貫地谷しほりさんの職業ってキャバクラ嬢だよね。
あれ、私、ストーリー、なぜか読める。
別にそういう能力があるわけではなく、舞台版をすでに見ていたのだった。そうこの映画、舞台版の映像化だった。
ストーリーがわかっているからつまらないことはまったくなく、観劇時に感じたほっこりさをまた追体験する。あの頃は、コロナが始まってちょうど1年。まだみんなマスクばかりで、あちこちで不要不急は避けましょうとスローガンばやりで重たい気分のときだったから、コメディが嬉しかった。観劇後のコーヒーを一緒に見た友達と、一口一口心から味わうように飲んだのが思い出させる。元の日常を求めていたなあと。
またそもそも舞台版では存在するも誰も演じていなかった、すなわち役者のセリフの上だけで存在していた映画版で宮崎美子さんが演じていたシェアハウスのオーナーについて、劇場版では想像上の産物だったのが、息吹を与えられた分、話が立体化していたのが嬉しかった。また話の肝になるチューリップを色彩豊かに目に写せたことも。
知らずに入ったので、上映後に予定されていたトークショーにもランデブーとなり嬉しい限り。登壇されていたのは映画にも出演されていて、舞台版からの原作脚本を担当されていた岩瀬顕子さんら。