イージーライター

水深ゼロメートルからのイージーライターのレビュー・感想・評価

水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)
3.5
元は高校演劇の戯曲なのか。だから、演劇の観客視点で、多くのシーンがロングショットで綴られる。ロングショットでの描写は役者の細かな顔の演技は封じられるので、役者は全身の演技と自ずからなるが、舞台がプールとなるだけあって、全身の演技を中に十二分に生かせるものになっている。 

あと、役者たちの会話劇が上質のフェミニズム論になっているのが面白い。最近はラディフェミニよるフェミニズム論の専横が目立つようになっているが、女子高校生の間でかわされるのは、自己決定権によるリベラリズムによるフェミニズムだ。前述の全身を使った演技とともに、リベラリズムに裏付けされたフェミニズムのあり様を求める言動は、惹きつけられることはあっても、いささかも青臭くもないし、訝る要素もない。