イージーライター

鬼平犯科帳 血闘のイージーライターのレビュー・感想・評価

鬼平犯科帳 血闘(2024年製作の映画)
3.0
時代劇の真髄を観た。
大道具、小道具、照明、衣装
・・・、プロの仕事が次々と。特に、松竹の照明部の仕事かな。陰影がバシッと決まった絵に身悶えする。

日本映画が始まって代々受け継がれたそれらの仕事をあのカット、このカットに見る。映画職人の軌跡を。

その職人仕事の中で、堂々たる演技を見せる歌舞伎役者、松本幸四郎。

しかしこれって見る観客がいて、仕事のリレーが成り立っているんだなあと思えば、襟を正して見届けるしか無い。私は見ることで日本映画の伝統を支えるのだ。

欲を言えば、偶然に頼るドラマのシナリオは、もう少し練れていたら良かった。まあそれでも、悪とは何かという骨太のドラマはちゃんと池波正太郎の世界観をすくい取っているのだろう。  

あと、ベンガルと柄本明が同じカットに映っているこの幸せったら。