このレビューはネタバレを含みます
悪魔に憑かれたらどうなるのかというのは、西洋の人にとってもじつは決まったものはないんだなと改めて思う。本作は醜い腫瘍ができて血や膿に覆われた、いかにも汚い状態になる。でもならない人もいる。外見から見抜けない人間の形のままの人もいて、その理由はわからない。たぶん制作者の都合。
主人公が、「悪魔憑きが出た、大変だ大変だ」と別れた妻のところに行くのが、やはりイラッと来て面白い。突然、接近禁止令を出している元旦那が興奮状態で押し掛けてきても、当然「近づかないで」と騒ぎになる。そして子どもから目を離すことになって、その隙に幼子が動物に襲われたりする。言うことを聞け、イヤ聞かないの応酬で話が混乱していくこのシーンがやはり白眉。
悪魔憑きが出たときの「銃を使ってはいけない」とか、よくわからないローカルルールも適当でいいと思う。高尚さからは遠ざかっていくが、映画が盛り上がるのであれば。