このレビューはネタバレを含みます
これはとても好き。すごくオススメしたい。
ルーマニアのひなびた村で珍しく事件が起こる。惨殺された遺体。村の警官イリエは村長や司祭に「わかっているよな」的なことを言われて、何かなるようにしておくことにする。そこへ若い警官が赴任してきた。彼は遺体に不審な点を感じ、捜査を始める。若い警官を諫めるようにいわれるイリエ。しかしイリエが止めても若い警官は止められる理由がわからない。
イリエ役の人が素晴らしい。監督インタビューを読んでいたら、オーディションの時、イリエにしては知的に見えすぎたので心配していたら、「このキャラの程度はわかっているので大丈夫」と言われて、任せていたら本当に撮影中は、理想的な知能程度を演じてくれたと語っていた。
イリエは賢くはない。でも自分で考える能力が皆無でも困る。考えてしまって、葛藤が生まれるから自分自身がとても苦しむことになる。
良心は難しい。もし一度良心が生まれてしまったら、それを否定したとき自分自身を裏切ることになって、一生涯苦しむことになる。でも良心に従えば、ただでは済まない。
ペキンパー以降の西部劇という印象だった。かっこよくなくて、でも銃の一発一発に必死さがこもっている。