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アメリカン・フィクションのFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

脚本がとにかく素晴らしい。当事者性を欠いた本がベストセラーになり、そしてそこに関わった家族や身内が幸せになるという余りにも自己言及的なプロットは、市場原理に求められる嘘とコミュニティの繋がりが表裏一体であることが示される。と同時に逆説的に、自分は誰にでも何にでもなれるし資産家にもなれるというアメリカンドリームを今一度立ち上げる。映画で実在する人物を演じることがそもそもリアリズムではなくフィクションであるし、断片的な映像の繋ぎに感情移入し心動かされることこそ嘘であるにも関わらず、なぜ映画やドラマを見るのかという一つの回答であり批評に対する批評にもなっている。脚色賞ノミネートも納得。
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