配信会社制作作品を2作。
まずは、アマプラ制作、本年度アカデミー脚色賞受賞作品。
原作「イレイジャー」を本作の監督コード・ジェファーソン自ら脚本も書き、監督第1作目の本作でオスカー！
きっとこの後、有名監督になっていくんだろうな。
とても面白かったです。
今まであったようでなかった（少なかった）差別や偏見へのアプローチ。確かに〜と唸ってしまったし、皮肉たっぷりのピリ辛コメディとしても楽しめたりと、なかなかにきちんと仕組まれた作品だと思いました。
主人公はある程度名の知られた小説家。
だか、最近、作家として行き詰まっている。こだわりやあくの強さという彼自身の問題もあるが、何より彼の黒人に対するストレオタイプの押し付けに納得が行かず、筆が進まないからだ。
貧困な暮らし、社会に対する反抗心、そしてバイオレンス！などといった黒人や黒人作品へのステレオタイプがまだまだアメリカ社会にも残っていることをこの映画から知った。
そして、そのことを「アメリカンフィクション」という実に皮肉と批判を込め展開していく。
最後は、彼自身が意に反して、そんな黒人ステレオタイプに呑み込まれいく。
ラストの締め方も実に「フィクション」を茶化していて、上手い映画を観たなあ〜と
満足感いっぱいだった！
私たちも例えば隣国の人に対してステレオタイプにはめ込むことをしているんじゃないかな。
テレビニュースやバラエティなどで映される隣国の人々に対するあるステレオタイプの垂れ流し、そんな中で、国名だけで個々人のパーソナリティを決めつけていないだろうか。
「日本人は○○だから素晴らしい！」みたいな逆ステレオタイプもこれと同義だろう。
こーゆー大手の映画会社では手を出せないテーマを配信会社が拾っていくのも面白いし、映画制作の可能性もまた広がっていくような気がする。
