山田太一の原作も映画も見ているのでストーリーは知ってたが、アンドリュー・スコット監督のアレンジが良い。音楽が懐かしく、絵も言葉も全てが繊細だ。全部優しくて良い。
【ネタバレあり】私が好きだったのは、お父さんとお母さんのほんのちょっと古い感じだ。お母さんの目の下のアイラインが濃かったり髪の毛や服が80年代風だったり、考え方が、若干だが、絶対人は結婚するものだと思っていたり、いかにも少し前世代の価値観だ。
息子のゲイについて知った時、それほど驚かなかったが、「子供がほしいとは思わないの？」「子供も持てるよ」など噛み合わないが微妙な古さが逆に現代からすると新鮮。でもだんだん機嫌が悪くなり、「そのクッキー食べたら帰ってね」とか＞＜；お母さん結構わがままで好き放題言う所も共感する。
そして、最後の方に「ごめんね、いいお母さんじゃなくて。もう少しあなたを育てる時間をもらえてれば良いお母さんに変われたと思うんだけど…」このセリフ泣ける。
良い映画でした。
東京国際映画祭2023年8本目
