織田

違う惑星の変な恋人の織田のネタバレレビュー・内容・結末

違う惑星の変な恋人(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

日本代表のユニフォームを着た4人のシーンをはじめ、あらすじにはカタールW杯のくだりがあるなどサッカー要素の濃そうな作品。
Xを見てたら舞台挨拶に訪れた監督が浦和のジャージを着ていたようでびっくりした。あれ選手支給品ですよね?笑
そんな感じでサッカー好きとしてはその"要素"探しも兼ねた鑑賞になりました。グリコって清水のあれですかね?

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物語としては『サッドティー』や『恋の渦』に似てると思った。今の時代なりにゲスさは抑えているものの、系統としては多分同じ。

わりと閉じた関係性の4人はそれぞれ別の相手に好意を向ける。追いかける。でも捕まえられない。サッカーでは向かってくる敵の逆をとるとき「相手の矢印を折る」という言い方があるけど、この物語でも登場人物は相手の好意の矢印を折っていく。その折り方はバキッとしたものばかりではなく、やんわりとした返答をする者もいて、そういう人が招くのはまあ無益な誤解。あなたのことですよベンジーさん。

とはいえこのベンジー氏の残念ぶりは作品の大きな魅力となっていて、モーくん、グリコ、むっちゃんというキャラの立った3人がいながらも彼の存在は随一。前置きが長いばかりに周囲から詰められる様はもはや突っ込み待ちにすら見えて笑える。また自分を石崎了くんに喩えたのはガチで共感。彼同様にDFをやっていた私が、某出版社の面接で「自分を漫画のキャラクターに例えると?」に石崎くんですと答えたのはずいぶん昔の話である。

それ以外でいうと、柱谷と井原の唐突な登場がやはり印象的。(今年もDAZNで柱谷さんの楽しい解説楽しみです😊)
序盤の気合い入れた飲み会で4人になった途端、会話に入りそびれて沈黙してしまうむっちゃん…モーお前私にパス出せよ(話題振れよ)みたいに思ってて結構エゴイスティックで笑った。スポーツバー、美容院ではポジション(立ち位置)の変更もあったり。右隣に自分の想い人が位置し、左回りの矢印が循環する🔄

4人組のカルテットというとジーコジャパンの中田英寿、中村俊輔、小野、稲本が私の中では印象深く、実際に年長者のベンジーはジーコ体制時の中田のユニフォームを着用していた。スポーツバーにはいろんな年代のユニフォームを着ていた人がいたけれど、彼が着ていた中田の7番が作品内ではおそらく最古。むっちゃん、グリコ、モーは全員ブラジルW杯のユニフォームで、何故か女性2人はいずれも長友だった。カタールから8年前、そのとき彼女たちは(特にモーとむっちゃんは)何歳だっただろうと考えると、もう少し最近のユニフォームの方がいいのではと感じる。
このスポーツバーでのスペイン戦パートは結構気になって、帰り道や飲み直しする様子が4時開始の試合に見えなかったりだとか、日本応援するPV会場でアルゼンチンとかロベルト・バッジョのユニはさすがにないよねと思ったりした。ちなみに、あれだけ擦られた三笘の1ミリに触れてないのは媚びてなくて好き。

バッジョに関しては後にベンジーが「PKを外すことができるのは…」で引用するものの、こじつけな感じも受けたのでスポーツバーでバッジョユニの背中を見た彼が思いついたのではないかと予想。サッカー文脈のクライマックスで悲劇のヒーロー色が強いバッジョを用いたのは監督の志向を強く感じた。

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ごちゃごちゃ書きましたが面白かったです。多分もう一回、今度は物語部分に集中して観ます!
織田

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