織田

もっと超越した所へ。の織田のネタバレレビュー・内容・結末

もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

あれこそが「もっと超越した所」なんだろうけど、最後のひと押しは正直好きじゃなかった。
ただ、そこに至るまでは満点。めちゃくちゃ楽しかった。(いつも引き合いに出して恐縮ですが)『恋の渦』よりもさらに無自覚ゲス男成分が強い。

明確に意図を持ったシーンの切り替え。クズいとしか言いようがない男たちの言動。「〜してあげる」って何だよと思ってたら案の定言われてて笑う。
2020年の4ペア。時は戻り2018年の4ペア。絡み合う交際経験。経験がゆえの我慢、妥協。経験しても繰り返される過ち。返す返すも男性陣の言動、行動は相手の尊厳を侵すクズっぷりなのだが、私は男なので自分がこうだったかもしれなかったのではないかという自戒や怖れを込めて観ていた。特にタイちゃんに対しては序盤全く違和感を持たずに観ていたので、自分の倫理観の欠如に後で気づいて唖然とした。

あと2020年初頭を舞台としているこの映画は、コロナがどうやって生活に影響を及ぼしていたかの描写にも長けていた。気にしてない、怖くないと言いつつもひっそりと除菌を行う者。気にしていることを隠さず、除菌リテラシーを徹底する者。(タイちゃんの影響で)神経質になるミワの振る舞いは既視感しかなかった。それだけに最後の「超越」したパートでマスクもコロナもどこ吹く風といった形を取ったのは当時としては結構な冒険だったと思う。
織田

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