このレビューはネタバレを含みます
誰かと向き合う中で、自分の考えや価値観が影響されたり人生がちょっとだけ変わったりするまさに現代っぽいヒューマンドラマだけど、
描かれる心の形が不器用さやダメさの前面にある、ごりごりの男女の恋愛モノ。
テーマは普遍的だけど、描き方は現代的。見たことなかったタイプの映画かも!めっちゃ可愛い映画。
むっちゃんがモーくん相手には喋れるのに、みんなで会った時にしゃべれないとか、めっちゃわかって応援したし、
モーくんが一見ヤバいのに、意外と一般的とされる恋愛観を持ってる(「女の子にアプローチされたら男は嬉しい」発言など)の面白いし、
グリコのナチュラルなモテる女の説得力はさすが筧美和子さんだし、
ベンジーさんの「大学時代一回はみんな好きになる」のがわかるけど、付き合うにはちょっと……なのがよくわかる感じ。
みんなダメなところはあるけど決して嫌いになれない、観てて全員大好きになっちゃう。アクスタがグッズで出てたの納得。
会話劇ノれるかな〜って心配だったけど、みんなのこと好きになっちゃったらもう構えずに緩く楽しめた。
「もうベンジーさんしか残ってないことになっちゃうじゃん」と「どういうこと?スペインの人と見るの?」と「そうなると俺がモーくんのこと好きみたいになっちゃうでしょ」が特に面白かった。
髪を乾かす立ち位置を交換して関係性がわかる最後から、エンドロールへの入りが気が利いててさりげなくておしゃれで見事。素敵な余韻の帰り道となりました。
振り返ると誰がどういう人が好きか、なんで好きなのかも察せられて……明確な恋に落ちるきっかけがない、っていうとこが現実的かつ映画の中でちゃんと描けてて恋愛ものとして素敵。
あの無意味でただの面白シーンのようだったスポーツバーでの席替えのシーンも最後のシーンに向けたフリになってるし、緩いようでちゃんと作られてるなーと感じられるのもまた、作品の可愛いパッケージと"綺麗に出来てる感"がマッチしてる。
恋愛映画かわいい部門、生涯ベストかも!