文字通り型破りな先生と彼に影響されて秘められた才能を発揮し始める生徒たち(小学生)のお話。メキシコであること、さらに治安の悪い場所であるために単なる感動ストーリーではなく、生死にかかわる事態や犠牲もあり、そこは辛口である。
自分が高校時代、このフアレス先生に似たような型破りな日本史先生がいたのを思い出した。教科書を使わずに基本グループワーク。昔の日本の口減しや室町時代までは女性の地主がたくさんいたことなど、(たぶん)左派的な政治観や網野史観をもつ先生だったのだと思う。だいぶ経ってからその先生がテレビで紹介されていたのを観て驚いた経験も。とにかく学生時代の自分を顧みるに充分な、熱い作品だった。フアレス先生が決して完璧でないのも良かった。
ただ、独創的授業の効果がすぐに学力テストで現れるのはちょっと矛盾してないかな、とは思った。記述問題や自由研究などにはすぐ効果あると思うけど。あと、哲学の彼女と学校を覗いていた男の子がそれからどうなったのか、凄く気になった。