自閉症スペクトラム症をもつ少年、ジェイソンとその父親がジェイソンの推しチームを探しに週末ごとにドイツ中を駆けめぐる中での葛藤や苦労を、温かにユーモラスに描いた作品。父親はチェーン店の管理や営業をしているらしいふつうのサラリーマンだから、国内旅行とはいえ、毎週ではかなり大変なんじゃないかと思ったけれども(経済的に)、そこはあまり突っ込まずに。
発達障がいをもつ、理解ある親が出てくる映画って、大概良作。韓国の『無垢なる証人』が大好きで、今作もその意味で素晴らしいのだが、よりリアルな、対する親としての悩みや苦しみが、重苦しくなく表現されていて感心した。
かくいう私も成人してからいろいろな問題が現れてきた娘をもつ身。問題なしの子に恵まれた方を羨むような、いや、そうでもないような。子育てって大変だよね、という話です。
蛇足だけれど、ジェイソン君のサッカーチームの評価基準がラジカルに進歩的というか、リベラルでびっくり。特に環境保護に対するポリシーが凄くてたじろぐくらい。素晴らしいことだけど、トランプ的な潮流が幅をきかせてる当世、葛藤を感じることもおおそう、