このレビューはネタバレを含みます
開始から100分ぐらいは予想より普通というか、沖縄の切ない子どもたちの話で想像してたのと違うと思いながら観てたのに、後半の畳み掛けがすごい!どんどん一枚上手の人が出てくる。
他の人たちも書いてた前情報何も入れずに見るべきというのに納得。
岡田将生がセレブな家で沖縄の海をバックに勝ち誇ったような表情をしてて、黄金少年はこっちだったか・やはり主演と思ってたのに、その後からが本当のエンタメだった。
黒木華は元夫や再婚相手よりだいぶ歳下だと思ってたら再婚相手と同年代の設定でそこだけしっくり来てないけど、結局朝陽の思い通りに行くのかと思っていた中で、疲れて寝ちゃった朝陽を見て微笑んでから年齢なんてどうでも良くなるくらい黒木華劇場。芯はあるけどどこか弱そうなお母さんがあんなに何枚も上手に出るとは想定外だった。
今思えば冒頭で浩が躊躇いなくカツアゲするのに実は3人の中で一番まともじゃんと思ったり無駄にナイフを回転させて威嚇するの可愛いじゃんと思ったりしたあたりから、多分私の感覚もバグり始めてたんだと思う。誰がまともなのか脳内で登場人物たちの腹の探り合いをしちゃったし、その中で何の想定外もなかった真っ直ぐな江口洋介もじわじわくる。
海の青文字で題字が出てくる締めは朝陽が黄金ではなくなったのを表現してるのかなと思ったけど、エンドロールの後で唐突におしゃれアニメーションと共に2を匂わせてきてびっくり。
狂った人ばかりが出てくる映画なのに、エンディングは数少ない真人間なお母さんの心情みたいで切なかった。
初見の人たちの演技が素晴らしいし、知ってる俳優さんたちのキャラを予想しちゃうキャスティングも絶妙。