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一月の声に歓びを刻めのhoopのレビュー・感想・評価

一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)
3.7
日経新聞で三島監督自身の体験をもとに作られたと紹介されていて、その思いの深さに鑑賞した。
3編のオムニバスによる構成。その中で1話目のカルーセル麻紀のキャスティングが絶妙なのか自身の本当の話に思えてくる。元々のトランスジェンダーなのか、娘の性被害をきっかけに男の性に嫌気がさしたのか。どちらにしろカルーセル麻紀自身が歩んできた痛みがあっての渾身の演技だと思う。
2話目は箸休めなのか、鉄パイプを持つシーンはあるものの、実はほのぼのなので特に迫るものはない。
3話目が三島監督自身の体験をもとにした前田敦子の演技が光る一編。金魚草を引きちぎるシーンは監督の思いが憑依したかのような鬼気迫るものを感じる。これまで前田敦子が出演した映画を観たことなかったので、これから気に掛けてみたいと思った。
監督の思いとキャスティングの大切さをつくづく感じた3篇オムニバスだった。
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