YUSUKE@アイアンマンの人

12th Fail(原題)のYUSUKE@アイアンマンの人のネタバレレビュー・内容・結末

12th Fail(原題)(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

公開未定ながら今年の暫定ベスト。バチクソ泣きました。走り書きですが…

「3Idiots(きっと、うまくいく)」「PK」プロデューサー/脚本のヴィドゥ・ヴィノード・チョープラー氏が(ハリウッドでの失敗を経て)自身でメガホンを撮った映画。

『PATHAAN/パターン』を押しのけてフィルムフェア賞の作品賞まで取ってしまった評判高さから、遠からず日本公開はされるはず。テルグ映画に押されがちだったヒンディー映画、本作で完全復活かも。

貧困層の公立学校(Hindi-middium)の高等中学(日本の高校にあたる)卒業試験に失敗してダブりながらも、インド最難関の連邦公務委員会試験に合格し警察官僚となった実在の人物マノージ・クマール・シャルマ氏の伝記作品です。

イメージされるインド映画のように艶やかな踊りは一切なく、代わりに製作者は丹念なストーリーテリングとバックボーンの構築と、抑制の取れた堅実な演出を選び、結果サタジット・レイや小津安二郎の映画を想起させる美しい作品に仕上がってます。

テーマに至っては不正対誠実、希望を捨てるな、何度もリフレインされるゼロから再出発(リスタート)、という『ショーシャンクの空に』の再話(再話というとネガティブに思われましょうが、これが出来るって普通はない事です。意外にもヴィドゥ氏が監督としてはホラーやスリラーをあまた手がけた経歴も、ある種キングのそれと符合する)

『スラムドッグ・ミリオネア』(2008/ダニー・ボイル)以降明らかにインド映画の作風トレンドが激変しましたが、本作はそれ以来の革命をインド映画自体で成し遂げたと言えます。かなりの傑作。

例によりひそかにsrtおいておきます。
https://drive.google.com/file/d/11sKM9lmahqV1xJ_SdttmFRMfp6V6ROWy/view?usp=sharing