YUSUKE@アイアンマンの人

君たちはどう生きるかのYUSUKE@アイアンマンの人のネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

スコアは★5.0ですが、ネタバレを控えたいため、パンフレット販売開始後に反映させる予定です。

・蛙が体中にまとわりつくシーン
・鳥が死亡する描写
がありますのでご注意ください。

ただし宮崎駿作品全部見てきてる人ならおそらく問題はないはずです。

同名タイトルの原著だけでなく、シュルレアリスム絵画とその解説も踏まえた予習(あるいは高畑勲の『母をたずねて三千里』の例のトラウマシーンとか)あるいは復習を行うとさらに深く入り込めます。

お亡くなりになった保田道世さんの彩色、二木真希子さんのアニメーションにもふんだんにリスペクトが入り、宮崎駿御大が昔ほどうまく体を動かせないことや自らのライフイベントに対処しつつ、自身のオファーで主題歌に米津玄師を迎え本気で若い子の目線に立とうとしている一方で『千と千尋』『ポニョ』をもしのぐといえるシュルレアリスムへの偏愛をしこたま堪能できる、娯楽性と手慰みの混在した不思議なアニメでした(冥界は量子論を概念化したすべての時間軸が存在する扉のある世界という、この観点で掘り下げるとやはり『すずめの戸締まり』『インターステラー』同様のところにたどり着いてしまう)。
これまでの信頼と実績の膨大な貯金があって初めて実現できること(いまこのスタイルをマネできるのは国内では庵野秀明・新海誠・コナンか進撃の巨人かジャンプ映画の新作ぐらいしかない)とはいえ、ぶっちゃけ普通なら全然大衆向けじゃないタイプのこれを宣伝なしで満員御礼の大ヒットさせる鈴木Pすごい……。(今回はジブリ完全単独出資のため、いつもの特別協賛や広告代理店・総合商社との提携クレジットも不在である)