のすけ

パーマネント・バケーションののすけのネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます

「処女作はその作家のすべて」って言葉をどっかで聞いたことがあるけど、ジムジャームッシュの場合は特に当てはまる。

タイトル、冒頭の語りからジムジャームッシュのアンチドラマ的で究極の写実主義的な世界観を物語ってる

ジムジャームッシュの映画は、人生そのものが「旅」「物語」のようなものであって日常の中に詩的な美が潜んでいることを教えてくれる。

でも、ある人の人生をそのままただ映すだけじゃ絵にならないけど、それを上手く魅せられるのがジムジャームッシュのすごいところだと思う。


この映画自体の感想は

孤独がテーマなんだと思った。
みんな孤独だしその孤独をどう紛らわせるかはその人次第。
その中で主人公のアリーは「だから渡り歩く。自分が孤独じゃないと思うことができるから。みんなは野心とか志で孤独を紛らわせるけど、僕にはできない。」って言ってて、これは映画の根幹を表してると思う。
部屋の話をしてる場面もあったけど、それもここに繋がってくる。

この映画はみんなが苦しむ孤独に独自の方法で立ち向かう男の話。
自分が孤独だと感じる時にこの映画を見ると、自分だけじゃないと安心することもできるし、アリーの生き様に勇気をもらうこともできる。

ジムジャームッシュは好き嫌い別れるかもしれないけど自分はとても好きな監督。
のすけ

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