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パーマネント・バケーションのmfgのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます


ジム・ジャームッシュ大好き…♡ずーっと観てられる…/台詞のセンスとか 全体的に曇りの日みたいな中の下みたいな絶妙なテンションの低さとか 盛り上がりのなさとか アンニュイさとか(それらを支える絶妙なBGMとか退廃的な街並みとかetc…) 伏線かなと思いきやそうでもないっぽい…?かと思いきや伏線?!みたいなとことか 絶妙な間とかetc…(全部いい意味で)が好き…♡/決して軽い内容ではないはずなのに重すぎないような…なんとも絶妙な塩梅が良い…♡/

とりあえずとにかく煙草吸いたくなる/ヨーヨー/ポップコーン/イヌイット映画/ドップラー効果/サックス/「虹の彼方に」/

まさに“青”年って感じ、青くて青くて…良い…





・“物語というものは点と点を結んで最後に何かが現れる絵のようなものだ”/“(いろいろな人間とつき合い 一緒に暮らし 行動を見てきての結論として…)一連の部屋のようなものだ どの部屋も人間と似ている”“新しい部屋は最初は珍しい”“だがやがてその物珍しさは消えて嫌悪感がじわじわとしのび寄ってくる”/→“しばらく時間がたつとある声が僕に言う“終わりだ 出て行く時だ よそへ行け”と”/“人間はみな同じだ 冷蔵庫やトイレの形が多少違ってるだけだ”/“声が聞こえたら漂流を始める 去りたくなくても従わねばならない”/“今いる場所は言葉すら通じない”“他人は結局他人だ”…哲学的かつ嫌世的な叙述、分かる人には分かる微妙な感情…(…でも我と彼は結局深い深い奥の奥の底の底で繋がってる…!)
・青い言動(声変わりしきってないような絶妙なボイス/“僕は起きたまま夢を見る”/流行りの音楽に合わせたダンス/鏡に向かってご自慢のリーゼントを整えつつ、“ときどき思うんだ サッと生きて早く死ぬ”“パーカーのように白い三つぞろいで棺に入る 悪くない”と自身の死生観を語り、耳に挟んだタバコを咥えるも逆)…なんとも可愛いね…/あまりにも飾り気のない無機質な部屋(床に直置きの布団やレコードプレーヤー/スチームストーブ)
・飽きるほど読み込んだという愛読書(“ロートレアモン「マルドロールの歌」”)は前衛的サスペンスもの…?/→“私は孤独に飽きたわ”とのGFの返し→“みな孤独さ だから僕は流れ歩く イカれてると言われても”“漂流してれば孤独でないと思うことができる 本当に孤独と感じるよりマシだ”“ある者たちは野心とか働かねばという気持ちで孤独をまぎらわせてる 僕できない”etc…こんな会話を痛いと思うか頷くことができるかは各人の人生観によるよね…/他者からイカれてると言われても自身の生き方を貫こうとする若者特有の意志の強さは立派(母からも反対されるも、父没後には母はイカれて病院へ(母:精神異常者①)…辛過ぎる背景…)/どんなにカッコつけたりしてても自分が抱えた心の傷をぽろっと出しちゃう若さがなんとも言えない…/窓から外を眺めながら自身の一大決心(生家(両親が住んでた家、戦争で中国人から爆撃を受けた…どう破壊されたか見たいため、自身の生まれた家の跡を歩いてみたいため)を訪ねた後、1年以上会っていない入院中の母を訪ねること)を語る最中、GFは愛読書の1ページを破って折折…
・戦争でトラウマを負った若者(精神異常者②)との出会い、“面白い話”を披露…面白いポイントがよくわからなかった…
・母の入院する精神病棟を訪れて…:母子の会話に馬鹿笑いする同室老婆(精神異常者③)…こっちもこっちで笑うポイントがよくわからない…/イカれた母の発言…割り切っていたとしても心痛む…
・街を歩くなかで気が変になってる女性(精神異常者④:霰もない格好でよく分からない言葉を叫び?歌い?…)と出会い、“大丈夫かい?”と声をかける青年の優しさ…→よくわかんないけど拒否られてその場を立ち去る青年…→その後、ヨーヨーを弄ぶ哀愁漂う姿が何とも言えなく切な気で辛い…
・映画館へ…:「バレン」(イヌイット映画/無愛想な受付女性の印象に残ったのは最初の方でウジ虫を食べる所と後半で老女が妊娠した娘に“生まれてくる子が男なら幸運を祈って鯨の油を塗り もし女の子なら雪を口につめて殺す”という場面…すごいレビュー)上映中/お供はポップコーン/“ドップラー効果(=“音が伝わる時に変化する事”)”にご執心の男性(精神異常者⑤)から“ドップラー効果”という題のジョーク(時代の先を行き過ぎたサックス奏者の経緯的な?…いつの時代も先行く者は大衆に認めならないもの、そして本人は自身の信じたものを曲げない強さを持つもの…/死を覚悟したその時に光が降り注ぐこともある(飛び降り自殺を決意するも天の導きにより?「虹の彼方に」を演奏→警察の介入により飛び降りるも死せず…)/瀕死状態にあって聞いた近づいてくる救急車の音が“ドップラー効果”というオチ?)を聞かされる…大きな瞳を男性に向けて複雑な感情を抱くような表情を浮かべる青年の心境やいかに…
・→映画館で出会った男性のジョークに“まさに”な感の路上サックス演奏者(以前に窓から見かけた人物…?)と出会い…:“バイブしててクレイジーな曲なら何でもいい”とリクエスト/→要望に応えて(?)確かにクレイジーっぽいものの、あんま長く聞いていたいとは思えないっぽい演奏かも…演奏中にその場を立ち去る青年に同意…
・ここまで曇った心境で迎える、ここまで最高のシチュエーション(屋上で陽の光で目覚めるという素敵な目覚め)もまぁないと思う…それゆえにより辛い…陽の光に照らされて心の闇がより深く暗く感じられる…/“この銃がおれの法律だ”→改“この銃がおれの代わりに法をつくる”/自身が語った“面白い話”の幻影を見る…
・ひょんな事でブルジョワぽい女性から車を盗難しちゃう(被害者であるブルジョワ女性の嘆きを笑いながら聞いて“イカすじゃない?気をつけないと体ごとさらわれるよ”とコメントする赤いターバンが似合う女性もまた異常…?)
・違法業者っぽい売人(バドワイザー飲んでるぽい)に盗難車を売りつけ…:提示額は800ドル(参照:映画館のポップコーンは75セント)/→交渉するも…
・部屋に戻るもGFはおらず…スーツケースに荷(少しの衣類とパスポート)を詰め、手紙を書いてその場を去る…去り際に部屋を見つめ直す姿の哀愁…/→船着場で自分と似たような境遇の青年(Fromパリ/ゴタゴタがあって故郷を出てきたとのこと/“何か起こるとよそへ移る”という主義信条を持つ/自身にとっての“バビロン”を求める根無草的な生き方?/故郷を出る前に入れ墨入れちゃう(Fromパリ青年:“ママ” Fromニューヨーク青年:ダイヤ型)とこも共通)と出会い、束の間の会話の後の別れ…鏡に映るような自分に似た境遇の他者を見て何か気付くこともあるよね…/→ラストの船から眺める自分の故郷…

誰もが飛行機の音に敏感に反応するとこに戦争の傷跡を感じさせる…
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