もじゃ太郎

マイノリティ・リポートのもじゃ太郎のレビュー・感想・評価

マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)
4.4
SF映画の真髄を見た気がする。
近未来的で全く新しい世界を描いているのに、とても丁寧に描かれているのでストーリーもスッと入ってきた。スピルバーグ御大の為せる業だろうか。
「SF」というとずっと先過ぎてかなり空想だったり(例:宇宙もの)、一方で近い未来で進化したモノ(例:E.Tとか)が出てきたりする。しかし、ここで描かれる近未来は少し先の、それでいてあり得そうな世界だ。観ていてワクワクした。

トム・クルーズのM.I的なサスペンスの要素も混ざっていて楽しめた上、メッセージ性も抜群で、バランス良く痛快な映画だった。
また一つスピルバーグ監督を好きになれた。

2017年の視点で見返すと、この映画は「共謀罪」の脆弱性を想起させる。予知夢として確実に実行される未来とはいえ、企図した時点で犯罪が成立するというのは刑事訴訟法上如何なものか。「未来は変えられる」のである。