もしもし五反田

Renaissance: A Film by Beyoncéのもしもし五反田のレビュー・感想・評価

Renaissance: A Film by Beyoncé(2023年製作の映画)
5.0
冒頭にビヨンセが語った、
「コンサートではなく、カルチャーをつくりたい」
という言葉が、この映画の軸だと思う。

ビヨンセが表現したいことは楽曲だけにとどまることはなくて、
MVやこうしたライブの演出も合わせて初めて完全体になるんだなと実感したし、
女性たちが活躍できる場をライブ会場に生み出し、人種や性別を超えて様々な人々を受け入れる場を作ろうとしていること/実現していることもそう。
(何度もカットインする観客の歓喜の表情が、その答え合わせになっている)
エンターテインメントの枠に収まらず、社会とのつながりを絶対に忘れない。
そうした、ビヨンセが今見ている視野の広さと宇宙も突き抜けてしまうような視点の高さを感じられること。
そして、“文化をつくりたい”と語る人が全力を注いで生み出すステージの素晴らしさをひたすらに感じられるのが本当に、本当にうれしかった。

だって文化って後から振り返った時にやっと道ができてるものじゃない?
それを“つくりたい”って言うんだからさ。どんな想いで意気込んでいるかもうわかるじゃん?
そんな人が生きている今を私も一緒に生きられてうれしいよ。。

「Renaissance」ツアーの素晴らしい演出を見せながら、ビヨンセのバックボーンにも触れていく。
ただのライブドキュメンタリーに留まらない構成もお見事。

母としての苦悩も、長年のパフォーマンスで蓄積した体の悲鳴も、素晴らしいと思えるキャリアの裏にある経験を“障害”と言い切ることも、女性だからと見下されてきた過去も、ビヨンセの言葉で語られる。
ビヨンセの過去をグッと掘り下げた素晴らしいドキュメンタリーであることも付け加えておきたい。

あ、ビヨンセがブルーアイビーちゃんを誇らしげな顔で見つける表情もよかったなあ…。
「40代になってより自由を感じている」という言葉に救われたりもした。
一瞬一瞬、どれも本当に素晴らしい映像の連続だった。

あと、本当に少しだったけど、ブリトニー・スピアーズの「TOXIC」をサンプリングした「Thique」を聴けたのがマジのマジのマジで最高だった…!
Queen B×B❤️

そして、この映画を観に行く時はシルバーでギランギランに着飾って観に行くことをおすすめします!