もしもし五反田

マイ・ブルーベリー・ナイツのもしもし五反田のレビュー・感想・評価

3.7
ウォン・カーウァイの作品って、“残された者”とか“置いていかれた者”たちのストーリーだなあ、と思う。

大切な人との思い出や言葉だけが残る中で、
“離れていった者から自分をどう解放させていくか”の話であり、
“どん底に突き落とされた者としてそこからどう舞うか”の話でもある。

さらには、残された者だけに許された自分自身への反乱とか反抗、反旗の立て方を描いたストーリーなんじゃないかな、とこの作品を観て思った。

でも、残された者同士が結びついた時に、それはまた新たな甘いストーリーになっていく。
売れ残ってばかりのブルーベリーパイにアイスクリームが溶けて、さらに深く、さらにおいしくなるように。