Hidenovic

コンテイジョンのHidenovicのネタバレレビュー・内容・結末

コンテイジョン(2011年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

R0=2、髄膜炎による致死率20%、潜伏期間は4ー5日で先程までピンピンしていた人が急激に症状が悪化するという新種のウィルスは、映画向けの凶悪なキャラクターで、拡大するなかで感染力が更に高くなる突然変異をしていく。この突然変異はちょっとやり過ぎ。実際飛沫接触感染で広がるウィルスの感染力は衛生環境、生活習慣で変わるわけで、感染力をウィルスのみの特徴とする演出は間違い。衛生感覚が高いCDCのフィールドスタッフ(Kウィンスレット)が余りにもあっさりと自身が感染した原因がホテルの部屋というのもちょっと考えづらい。現実の2020年の新型コロナウィルスは致死率は映画の1/10で回復する人や症状の軽い人も多い故に感染が拡大するというのが実態。
なのでこの映画の中のような凶暴なウィルスはここまで広がるということはないと信じたい。GパルトローやKウィンスレットのような主役級があっさりと倒れて行く展開に、誰が次に発症するのか、誰が生き残るのかをハラハラさせる展開は目が離せなかった。

9年前の作品で、SARSや新型インフルがベースになっていると思われるが、現実の2020年は映画の想定を上回ったところもあれば、映画ほどでは無かったもののそれ故にもっと恐ろしいこと、悲しいことなども起きてより考えさせられる。

2021年6月、Amazon Primeにて視直し。
現実の新型コロナSARS-CoV2新型コロナと映画の違い。現実はS.ソダバーグ監督も予見できなくて当然だけど。
短い潜伏期間と呼吸器から脳炎になるという劇的な展開は映画故か。実際は宿主が直ぐに動けなくなって死んでしまうのであればそれ程急激には感染は広がらないはず。実際の新型コロナは症状が軽い又は無症状の人が感染を拡大させている。クラスター追跡は映画では中国広州?のペイシェントゼロをほぼほぼ特定するところまで辿っているが、現実は中国政府の壁で武漢の生鮮市場と武漢ウィルス研との関係などは謎のまま。
マスクの有用性や世界的な不足、着用の義務化、マスクの否定などは自由や人権問題も絡む状況になったことは映画では予見されていなかった。代わりに特効薬とクチコミやネット、マスメディアで取り上げられた漢方薬レンギョウの奪い合いが映画では起きている。
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