進藤先生

クロッシングの進藤先生のネタバレレビュー・内容・結末

クロッシング(2008年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

コーヒー片手にポテトチップスをつまみながら観る映画ではなかった。

①報道番組で目にする“ 脱北者 ”や、他国の大使館に必死に逃げ込む人たち。
あの中の一人一人にこんな物語があるのだろうという視点から作られた映画。

過去の北朝鮮ではなく、最近( 2007年 )の北朝鮮が舞台であり、ニュースだけでは知り得なかった現実。

ナチスの強制収容所は過去。
でもこの映画の強制収容所は現在。

②身近にある救いを求めている人に対しても、手を差し伸べる事が出来ない私には、この映画の背景をとやかく言う事は出来ないけれど、兎に角、生まれた国が違うだけで、これ程までに過酷な人生になってしまうのか、と。

③電話のシーンでは、観ているこちらも安堵の涙を流したのに…

明確な問題提示をする為に、観た人の心により深い余韻を残すこの結末にした事も納得はするが、感情移入した後では切なすぎるよ。

ラストのセピア色の映像が、ジュニの言っていた世界で、本当にあるのなら、少しは救われた気持ちになるのだが。

原題『 CROSSING 』横断、渡航

2016/4/8 DVD
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