溝口真希子(ペヤンヌマキ)さんは名前しか知らなくて、そのお芝居にはとても興味があるのだけれどまだ機会がなくて。
そんな、映画業界とは無関係な演劇人の撮ったドキュメンタリー、というところに惹かれて楽しみにしていました。
少し冗長に過ぎるきらいはあるけれど、にしたって結構盛り上がる要素もたっぷりの素敵な映画に仕上がってたように思います。
ただ…。撮り手や登場人物たちの言う「暮らしと政治は無縁じゃ無い」という主張がどう映像に表れたのか、はちょっと疑問。
何よりも映画の終盤近くまでずっと主役の岸本さんの横に無言で登場する吉田某への言及が一切ないことに「暮らしに縁の深い」ものとは全く異質の「政治」を感じてしまう。
後半、選挙事務所でのインタビューで岸本さんの背景には志位さんとともに蓮舫さんの檄文もきっちり映り込んでいるし、立憲の吉田代議士がこの選挙のキーパースンの一人であったことは紛れもないところだとは思うのです。
でも、その辺りについては異様なスルーぶり。地域の中高年意識高い女性たちのパワーが全てよ! で、選挙に勝ったよ! は流石にあかんし、持続も発展も期待できないと思うのだけれど。
あと、3期12年の前区長への言及もほとんど無くて、杉並区民ではない私は一体どこに頷いてどこに想いを熱くすればよかったんだろう、と。
聞きたかった声、背景たちにほぼ辿り着けないもどかしさが残っています。