シアーシャ・ローナンとポール・メスカル主演というだけで中身知らずに観たけど、ディストアめいたSF設定の物語。映像と二人の演技は良いけど、この二人使ってまでやる話か？と思いながらもポール・メスカルの若干シリコンで出来ているような肉体、精神の奥底の井戸からくんできた泉のように迸る感情だけで元はとれたかもしれない。要は夫婦は連れあってどこまで来たのかという話なんだと思う。それならそれでもっとソリッドシチュエーションな撮影に終始して「ガタカ」的にやればいいのにロケーションの規模の大きさとVFXのせいでどこに向かっているのか分かりづらい。
撮影もそんなに映画っぽくないし。何しろ一番良くないのが監督のガース・ディヴィスがシアーシャの裸/肉体を撮りたがっている下品さ助兵衛さが丸見えなことだろう。主演の二人は最高ですが、鯛と鯉がサッポロ一番しょうゆ味にぶち込まれているような映画だった。
