最近の映画記録、今日見た「時々、私は考える」のこと。
デイジー・リドリー主演、監督のレイチェル・ランバートは今作が日本では初公開作。同名の短編の長編化で、短編版の監督が脚本を書いている。
これ、万人向けではないが、かなり良かったですよ。
見て良かった。
舞台はオレゴン州のアストリアという港町。主人公フランは港に面したオフィスの事務員。
このフラン、awkwardという言葉がぴったりで、周りの目を気にしつつ存在感を消してひっそり生きている。
ここら辺の描写、セリフやモノローグをほぼ使わずに見せていて、感心した。
単にコミュ障というよりも、「普通の人々のように生きるのが苦手」、「この世界は自分の居場所じゃない」感じをリドリーはうまく演じている。
彼女には、自分の死をイメージする癖がある。希死念慮や死へのフェティッシュというほど強くもない、他愛ない空想という感じ。
そんな彼女のオフィスに、新しくロバートという男が入社してきて、ちょっとした変化が起こり…という展開。
ミニマルで静かな映画で、映像だけでなく音楽の使い方も面白い。
コゴナダ「コロンバス」に近い空気感だと、自分は思った。
あと、劇中でジュリー・クルーズのCDをかけるのだけど、そのシーンの終わりではクスっとさせられた。
この劇中音楽の他にも、デビッド・リンチの影響というか、「ブルー・ベルベット」や「ツイン・ピークス」ぽさを、ちょっと感じた。
静かで優しい映画を見たい人に、お薦め。