コーディー

テルマ&ルイーズ 4Kのコーディーのレビュー・感想・評価

テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)
4.4
こんな筈ではなかったけれど、屈辱に耐えて正しいを曲げてまで引き返すくらいなら二人で何処までも行く…
罪と引き換えに守ったもの、国境が近付くにつれて覚悟が滲むテルマを誇らしげに見つめるルイーズの表情が全てを語り、この旅はやっぱり最高なんだと思い知る。

夫に黙って友達と旅行する。
ただそれだけの事が抑圧され続けたテルマにとっては物凄い抵抗であり自分を尊重する手段でもあった…
そんな彼女の危なっかしい解放感にブレーキをかけながらも、決して縛りつけることはないルイーズ。男性主導社会に苦しんできた彼女たちが互いの痛みを共有し、主体的に生きる快感に満たされていく。
状況は悪化しながらも、アメリカ南西部の広大な自然をバックにようやく自由を浴びる二人の姿が堪らなく美しい!

とまあ女性の連帯へと導く展開の強引さもあるけど、魂の繋がりまで表現するスーザン・サランドン&ジーナ・デイヴィスの演技が物語をしっかり現実的なものにしていて何度観ても素晴らしい!
そして関わる男たちのバリエーションも二人の旅に様々な視点を加えてるし、特にハーヴェイ・カイテル演じる二人を追跡しながらも憐れみ尊重する刑事の姿勢は唯一の慰めにも思えた。
そしてこの作品をキッカケに大スターとなっていくブラッド・ピットのキラキラ眩しさも印象的、テルマが犬みたいにハァハァ欲しがるのもわかるw

ベスト級に大好き映画やけど、ちゃんと観るのは久しぶり、しかも映画館で観れるなんて感無量でした。大傑作です!