世界地図は知らないし，アメリカがどこにあるか知らないけれど、故郷はアメリカよりも遠い場所と思っていたと言う思いがとてつもなく重い。
らい予防法が撤廃されてもそれまでに染み込んだ差別意識はそう簡単に人の心からなくなる事は無い。故に療養所で人生を終え、本名も名乗らぬ人が多い事を初めて知る。
人が人を無知故に差別した結果、その人の人生を蔑ろにしてきた事実はどうすれば挽回できるのか？
それでもかづゑさんは全てを受け止めて自分の人生を生き切ったと胸を張る。それは自惚れでもなんでもない。生きた誇りがそこにあった。
エンドロールのチェロの響きが胸に沁みました。
