ノラネコの呑んで観るシネマ

またヴィンセントは襲われるのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

4.0
デザイナーの主人公は、ある日突然目が合った人から問答無用で襲われるようになってしまう。
理由も分からず、日常生活を送れなくなった彼は、田舎の別荘に逃れるのだが、フランス全土で同様の事件が起こっていることを知る。
ゾンビ映画のバリエーションとも言えるが、相手はアンデッドではなくそこら辺の知らない人。
ただ自分を殺そうと襲いかかって来て、その間記憶を失っているのが特徴。
原因不明なので、自分もいつ襲う側になるのかも分からない。
かなり不条理かつケッタイな話だが、コレはおそらくネット社会のメタファーなのかな。
生身の相手とは向き合わず、知らん人を突然攻撃して炎上させたり、させられたり。
攻撃し終わったら、しれっと普通の人に戻る。
従来の映画のゾンビは、欲望のメタファーのパターンが多かったが、本作は人間関係のカタチが変わった21世紀ならではの寓話なのかも。
しかし身も蓋もないことを言うと、目を合わせるのが問題なら濃い目のサングラスかければ解決なのでは?という点は最後まで気になってしまったw