コーディー

水深ゼロメートルからのコーディーのレビュー・感想・評価

水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)
4.1
意識したくないことを意識させられる年頃を迎え、自分軸を保つのが難しくなってきた。
そんな厄介な揺らぎを抱える4人の女子高生が砂埃に塗れた自分らしさを掬い上げようと、私を試行錯誤していく…
痛くて苦いけど、この乾きを経て潤い整う宣戦布告に昂るぅ〜

性別の違いなんかに私の好きを曲げられてたまるか!と抗えば抗うほどに女性である事を意識させられる。
いくら掃いても溜まっていく砂のような性差に起因する葛藤。他愛のない会話の中に苛立ちや諦めを滲ませながら、それでも掃除する意味をめぐり共振していく感情。
そんな夏休みの空っぽのプールに充満していく彼女たちの〝ここから〟が眩しかった。

皆んなそれぞれにネガティブな何かを抱えてるけど、馴れ合いではなく衝突しなごらの4人4様の主張があったし、いつも一緒にいるグループとかではない程良い距離感なのも面白かった。

原作は高校演劇の戯曲ってことで序盤は芝居がかったテンションがやや気になったけど、そんな空元気も解放に向けて機能してたし、何より4人のキャストのアンサンブルや等身大の会話劇がとても魅力的でした。

そして、おそらく彼女たちのような揺らぎを越えてきたか、現在進行形かもしれんけど、同じ側には立てない先生の不自由さや遣る瀬なさが印象的で、さとうほなみさん演じる.この物語ただ一人の大人が恐かったけどw素敵やった。

こういう映画好きやで〜w