しゅんすけ

ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉のしゅんすけのレビュー・感想・評価

4.5
「劇場版ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」

ジャングルポケット、アグネスタキオン、マンハッタンカフェ、ダンツフレームらによる、2001年のクラシック戦線(皐月賞・日本ダービー・菊花賞)をベースに4人のウマ娘のレース模様を描く。

公開初日にTOHOシネマズ日比谷で観てきました。

 ストーリーライン的に前作にあたる「~ROAD TO THE TOP」が話の展開が3強にフォーカスされていて、まとまりもすごくよかったので、ああいう感じの映画になるのかと思いきや、予想外のところからパンチをもらった感じでした。

 自分はジャングルポケットという競走馬は名前しか聞いたことがないので、実際にどういう馬だったのか鑑賞後にいろいろ記事を読んだりして確認したのですが、フジキセキという4戦4勝で、クラシック3冠レースに出走が叶わず引退した伝説の競走馬と同じ厩舎・騎手が携わっていたと知って、なるほどそれを話の軸にもってくるのは見事だなと思いました。

 フジキセキとジャングルポケットにどう接点をもたせるかというところで、オープニングでフジキセキの実質最後のレースとなってしまった弥生賞(皐月賞のトライアルレース)から始めるというのが粋な展開で、そこからフジキセキとタナベトレーナーの指導のもと、クラシック戦線に名乗りをあげるという導入はお見事でした。

 本作は実際のレースの戦績という史実とIF展開の織り交ぜ方がよくできていて、主人公のジャングルポケット以上に無敗のまま早くに引退してしまったフジキセキとアグネスタキオンという競走馬がクラシック戦線をどう見ていたのかという視点の入れ方が感動的でした。

 ウマ娘には悪役がいないので、話を盛り上げるのが結構難しいなと思うのですが、そこは圧倒的な強さをもったウマ娘に勝てないと思い込んでる自分との闘いというところに持って行ってるし、当時最強だったテイエムオペラオーを神的な存在として描いて、ラスボスに設置するのもよかったです。(00年の有馬記念の再現は見事)
 ジャングルポケットとテイエムオペラオーが01年のジャパンカップに向けて、直接会話してバチバチなるような描写を入れなかったのも好感がもてました。たぶんそれをしてたら競馬ファンは萎えていたと思います。

 ゲームやっている勢からすると、大量にキャラクターが登場してくるので追っかけているだけでも楽しいですし、自分の推しであるアグネスデジタルもわずかながら映っていたので良かったです。相変わらず実際の戦績ではオペラオーも倒しているすごい競走馬なのに完全にネタ担当でしたが。(個人的にはアグネスデジタルの01年天皇賞秋とかも描写してほしかった)

 今後は4DXの上映もあるそうですし、轟音上映とかやる映画館もいずれ出てくるでしょうから2回目はそのタイミングで観てみたいと思います。